有料職業紹介事業とは、厚生労働大臣の認可を受けた事業者が、 求職者に求人企業の案件を紹介し、職業を斡旋する事業を指します。
基本的には、業者が紹介した求職者の採用が決定した際に、求人企業から紹介手数料を受け取る形でビジネスが成り立ちます。
アパレルやメーカーなど、有形商材を扱うビジネスとは異なり、 求職者・求人企業の集客さえできれば売上を立てることができるため、 開業のハードルは比較的低めであると言えるでしょう。
とはいえ、人材紹介事業を開業すうためには、各都道府県の労働局の窓口で申請が必要になります。
本記事では、人材紹介事業の開業の際に必要となる手順をご説明いたします。
人材紹介会社を立ち上げる際に必要な準備は、下記の通りです。
① 資本金の準備
一般的に、会社を設立する際の資本金に○○円以上、という決まりはありませんが、 人材紹介会社を立ち上げる場合には、職業安定法により既定が設けられているため、注意が必要です。
人材紹介会社を起業するには、設立する会社の資本金として500万円が必要です。 そのうち150万円は現預金として準備するよう定められており、残高証明書などの提出が必要となっております。 なお、複数の事業所を構える場合は、1事業所ごとに60万円の資本金が上乗せされる形となります。
② オフィスの準備
2017年の法改正以前は、20平方メートル以上の面積を有した上で、環境についての規定も細かく設けられておりましたが、 現在はレンタルオフィス・シェアオフィスでの許可も得ることができるようになっています。
具体的には下記の通りです。
・職業紹介の適正な実施に必要な構造・設備を有すること。(個室の設置、パーティション等での区分など)
・他の求職者又は求人者と、同室にならずに対面の職業紹介を行うことができるようにすること。
・面談スペースと執務スペースでそれぞれ個人情報が守れる構造になっていること。
③ 許認可申請免許取得
資本金と事務所が用意できたら、事業免許の許認可申請を行います。
申請にあたっては、職業紹介責任者講習を受講して受講証明書を取る必要があります。 指定の実施機関で受講し、試験に合格すると受講証明書が交付されます。 また、職業紹介事業を行う上で、職業紹介責任者を必ず1人は選任する必要があります。
有料職業紹介事業の許可申請には、許可申請書と事業計画書の他にも 住民票や履歴書、定款、登記簿謄本、貸借対照表及び損益計算書、 残高証明書、事務所の賃貸借又は使用貸借契約書などが必要です。
個人事業主の場合は用意する書類が違う部分もあるので、厚生労働省の手引きに従って用意を進めてください。
上記の準備が完了したら、近くの労働局へ手続き申請をしに行きます。 簡易書留による郵送や、電子申請も可能です。 内容に問題がなければ、申請から2〜3カ月で許可証が交付されます。
なお、有料職業紹介事業を無許可で行った場合は、職業安定法第により1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象となります。
① 人材斡旋をする業種について
港湾運送業と建設業については、有料職業紹介事業の許可に加え、追加の申請が必要になります。
② 紹介手数料について
上限制手数料と、届出制手数料のいずれかの方法により、手数料の徴収が認められています。
・上限制手数料
…支払われた賃金額の10.5%相当額が徴収できます。 紹介した人材が継続6カ月を超えて雇用された場合は、6カ月間の雇用に係る賃金額の10.5%相当額が上限額です。 上限制手数料の場合は、手数料徴収の基礎となる賃金支払日以降に徴収できます。
・届出制手数料
…事業申請時に上限手数料率を届け出て許可される方法です。 届出制手数料の上限は雇用契約の年収の50%以下とされています。 なお、業界の平均は30〜35%とされており、相場を超えての申請には特別な理由が求められます。
今回は職業紹介事業を立ち上げる際に必要な情報をまとめさせていただきました。
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